続・いざ歌舞伎座
まとめていたら、ずいぶん時が経ってしまいました・・・。
前回は、歌舞伎座に行くときは、ひとまずこれをすればいいよ! ということをお示しして、説明は、次回に投げたかと思います。
前回ご紹介したのが、こちら!
①普段通りのよそ行きの私服を着る
②双眼鏡や単眼鏡(オペラグラス)を持参する(現地でも買えます)
③外に設置してあるチラシを取る
④イヤホンガイド・字幕ガイドを借りる
⑤筋書きを買う
では、早速ご説明いたしましょう!
①普段通りのよそ行きの私服を着る
歌舞伎を観に行くと、たしかに、パリッと着物を着こなした方々がおられます。
渋い着物を着こなして、歌舞伎を楽しみ、幕の内弁当に舌鼓を打つ・・・風流です。一回はやってみたいかも。
ですが、歌舞伎を観に行くのに、決まった服装はないです。洋装で問題ありません。
さすがに、くたびれたTシャツとか、ジャージとかだと浮くかと思いますので、「よそ行きの私服」としましたが、構えなくても大丈夫です。
私が観に行くときは、ポロシャツとコットンパンツですが、気詰まりになったことはありませんし、いちゃもんをつけられたこともありません(笑)
②双眼鏡や単眼鏡(オペラグラス)を持参する(現地でも買えます)
一幕見席は、四階の一番後ろに位置していますので、遠いです。
役者さんの表情や、着物の柄など、肉眼で細かいところまで見るのは至難の業。
そこで、もっていくと便利なのが、オペラグラス!
全体の雰囲気や、配置を肉眼で楽しみつつ、見得を切るときなどの見せ場は、オペラグラスを使う。
こうすることで、「見たいのに遠くて見えない!」という、切ない状況は回避できるかと思います。
ちなみに、歌舞伎座の中でも、1000円前後で双眼鏡を購入することはできます。
ちゃちい(失礼!)造りですが、十分に用は足ります。
③外に設置してあるチラシを取る
チラシなんて取って、なんになるのさ? と思われたかもしれませんが、このチラシ、実は侮れないのです。
表面は、役者さんの写真です。これを見て楽しむのも良いですが、活用すべきは裏面です。
裏面には、出演する有名どころの役者さんの写真と、ざっくりしたあらすじ・配役が載っているんです。
一幕見席の券を取るには、しばらく並ばないといけませんから、待ち時間にこれを読んでいると、なんとなーくお話の筋が頭に入るかと思います。
ここでは、なんとなーく、で十分です。
④イヤホンガイド・字幕ガイドを借りる
歌舞伎は江戸時代から続いていますから、台詞回しや所作も、昔のまんまです。
それがまた、異世界に迷いこんだような気分を味わえて良いのですが、一つ問題があります。
「台詞が分からん! これは何語だ!?」
その悩みを解決できるのが、イヤホンガイド、もしくは字幕ガイドです。
イヤホンガイドとは、劇と同時進行で、話の流れや登場人物の詳細を、解説してくれるサービスです。
話の筋、登場人物(役者さんの紹介)のみならず、着物の柄の説明や、見せ場の紹介してくれます。
というと、劇に集中できないんじゃ・・・? と思われるかもしれませんが、心配ご無用。
解説者は、事前に準備をしたうえで、当日の舞台を一緒に見ながら、解説をしてくれているのです。
つまり、同時解説。一緒に見ているのですから、解説が邪魔になることもありません。
字幕ガイドも、イヤホンガイドと同じで、同時解説を行ってくれます。
音声よりも字幕が良い! という方は、こちらを活用するのも良いと思います。
気になるお値段ですが、イヤホンガイドは1700円、字幕ガイドは2000円。
ただし! 1000円は保証金として預けておいて、観劇後に返されるので、実質、イヤホン700円、字幕1000円で借りることができます。
人によっては、「ガイドを使うなんぞ邪道だ!」と言う方もいます。それも一つの考え方かもしれません。
ですが、歌舞伎の台詞は古語です。日本語ではありません。外国語です。いわば、外国の映画を、字幕も吹き替えもせずに見るようなものです。
せっかく歌舞伎を見に来たんだから、意地を張らずにイヤホンガイドを使うことで、一層堪能できるのでは、と思います。
⑤筋書きを買う
筋書とは、プログラムです。
劇のあらすじ、配役、ちょっとしたコラムなどが載っています。
このあらすじ、オチまで載っています。歌舞伎に「ネタバレ」という概念はありません。江戸時代から、繰り返されてきたものですからね。
こちらのお値段は、大体1000円少々。
高めですが、昼の部・夜の部すべてをカバーしているので、見られない演目の中身も、確認できるのです。
ガイドと併せて使えば、初めて見る演目でも理解しやすくなると思いますし、これだけ読んで、ガイドは使わない、という方法もあるかと思います。
また、これを読んで、面白そうだと思った演目を、一幕見席で観に行く、という使い方もできます。
長くなってしまいましたが、これで説明は終わりです。
前回も書きましたが、これを全部しないといけない、わけではないです。
あくまで私が、このあたりをすれば、歌舞伎がより楽しめるんじゃないかな? と思うこと、それだけです。
ご参考までに、私自身が観に行くときは、①と③、時々⑤しかしていないです。それでも、十分楽しめています。
最後に。長々と書き連ねましたが、これが正解、というものではありません。
そもそも、歌舞伎は舞台です。舞台の見方に、正解も不正解もありません。本人が楽しいか否か、周りに迷惑をかけていないか、それだけです。
歌舞伎にもルールはあります。「○○屋!」というかけ声や、見得(決めポーズ)もあります。
ですが、そういう難しいことは、通の人に任せておけばいいです。
気を付けるべきは、私語を慎む。そのくらいです。
面白い場面では笑い、悲しい場面では泣き、「いいな!」と思ったら拍手をする。
他の劇と、そんなに変わらないんじゃないかな、と思います。
それでは、本日はこれぎり、これぎり!